

三田)
厚生労働省が示した試算によれば、団塊の世代が
75
歳以上になる
2025
年には約
250
万人の介護人材
が必要とされており、様々な施策を行ったとして
も約
38
万人の人材が不足するとされています。今
後の超高齢社会にとって、不可欠であり最重要な
基盤である介護人材を質・量ともに安定的に確保
するためにどうすればよいか、介護人材の明日を
考えたいと思います。
今、福祉教養科への入学希望者は増えているので
しょうか?それとも、減っているのでしょうか?
関口)
多少波はありま
す、が増えている
状況でも、減って
いる状況でもあ
りません。やはり、
高校から専門の
学科を選択して
くる事は他の専
門学科を見ても多くはありません。
三田)
専門的な学科を中学
3
年生の時点で選ぶわけです
からね。家庭環境や周りの影響で選ぶ生徒が多い
ですか?
関口)
多いと思います。家族が職業についていたり、介
護が必要な方が身近にいて体験している場合や、
「何か人の役に立つ仕事に就きたい」という思い
がある生徒が多いです。
三田)
そういった生徒たちに特徴はありますか?
関口)
中学卒業時点で進路を決めているので、目的意識
がしっかりしていたり、資格取得のために授業を
休めないこともありますが、一生懸命に取り組む
生徒が多いですね。
三田)
普通科にも福祉コースがありますが、希望者は?
関口)
1
クラス分の定員ですが、初任者研修を取得するた
めに、こちらも授業に出席する必要があるので安
易に選択をしていません。多いという状況ではあ
りませんね。
三田)
専門の科があり、ボランティア等を行っている所
を間近に見ることで、興味を持つ生徒は他校より
多そうですよね?
関口)
普通科のみの学校に比べると希望者は多いと思い
ます。
1
年生から社会福祉基礎という科目を勉強し
ているので、介護の職に就かなくとも、福祉を学
ぶ事で自分が将来保育・看護等の対人援助に関わ
る仕事に就きたいと考えている生徒が、基本的な
知識を身に付けたいと選択する場合もあります。
「福祉=介護」ではなく、広く捉えて選択してい
ます。
三田)
特養では人材不足はすでに始まっていますか?そ
れとも、まだ感じられませんか?
阿部)
人材不足はか
なり前から始
まっています。
職員が離職す
る面は企業努
力もあります
が、社会全体
では介護は将
来性があるものの、処遇面や3Kと言われるイメ
ージが拭えていません。働き手はいるが「パート
でいい」「常勤までは」と考えている人が多いです。
資格を持っている人も多くいます。
5
年ほど専門学
校の講師をやっていますが、専門学校にも人が集
まっていない状況で、年々減っています。ただ、
生徒は減っているが目指す子はいます。介護職を
目指して卒業した人材を、どう育成しているかが
法人の役目になると思います。
テーマ②